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花びらの落し物でたくさんの道を今日も踏んずけて歩いた。

少しだけ肌寒い気がして寂しい夜です。

 

休みばかりで夜更かしすると、いつの間にかやって来る。

遠退いていく意識の中で、やさしい音が鼓膜を震わせて。次第に、暗がりへ落ちていく感覚さえも失せていくのに、その音だけは決して途絶えることはなかった。

 

遠い夢の如く、春の不思議な感覚は、どうしてなのでしょう。

誰もかもがうつつをぬかしている。

 

ああ、そうか、きっとこの不思議な日々が過ぎるとすぐに長雨に悩まされ

あっという間に緑深い草の匂いの季節に変わるのだなぁ。と。

五感を刺激する全ての自然のアプローチが、今まさにここにある。

私は季節に惑わされている。

 

春だから。と理由をつけているのです。

 

植物って、人間のこと

どう思っているんだろう。

とても勝手だと思うか、そうだろうな。

自分が綺麗な時だけ花見だ夜桜だと騒がれて

裸になれば目にも止めてくれないじゃんって。

ごめんね、そうじゃないよ。ただきっとね人間は、繊細で綺麗なものが好きなんだ。

咲かない花に価値がない訳じゃないよ。ちゃんとね、咲くまでの過程も知ってるよ。

だからとても好きなんだと思うよ。

 

人も同じようなもんだから。

植物の吐いた息を人が吸っている。

年輪の数だけ歳をとる。

苦労したぶん美しい。

枯れ木になったら死ぬ。

何も変わらない。

 

 

アンハッピー・バースデー

気づいたらピンク色になっていて、

気づいたら一つ歳をとっていました。

ごきげんよう

 

誕生日が来る度に

あぁ、こうしてまた死に近づいていくんだな

という不安と

もうこんなに生きてるんだな

という想いが交差します。

一年前の自分は何してたっけな、とか。

増えていくローソクを消す度、変な気分になります。

 

毎日誕生日みたいに、生きてることを祝ってもらえるならさ、

桜の季節に生まれた性分なもので、刹那に散る花に重ねるくらいのネガティブ野郎を何とか出来るんじゃないかな。

 

おめでとうの 五文字を 一番言ってほしい人に言ってもらえなかった。

まあ、いいんだ。

どうせまた言ってくれるチャンスは1年後。

生きてる限り何回でもチャンスがあるから許してあげる。

 

ピンポイントで隕石でも落ちない限りなかなか終わりはこないもんです。

 

春霞。

 

やわらかい光がさしている。

東風が運んだ卵は鼻をくすぐってむず痒い。

花曇りのする空をかき分けて歩く。

 

一場の春夢 

ということわざが好きで。

人の栄枯盛衰は、春の夜の夢のように極めて儚いものという意味。

日本人って本当に美しい言葉を作るね。

昔の人は短歌や俳句で想いを綴っていたと言うけれど

Twitterやラインでは出来ない良さがある。

移りゆく季節や見るものに感じる気持ちを一番ストレートにしたのが詠なのでしょう。

 

ここで一句。

 

春霖に 香草燻らし 君を待つ

 

春霖とは

仲春から晩春にかけて降る長雨のこと。霖とは長雨。その雨によって春の訪れに草木が成長し、花の蕾も膨らむという意味です。

 

春の長い雨が降っているように、会えない時間が続くけれど、その間あなたへの想いを膨らませながら、雨が止むまでタバコを吸って待っています。

という感じ。

 

いい季節です。

 

グレゴリオ・グレーテル

何の変哲もない1日が過ぎていきました。

厚底。履いていたから、今日は人混みでも眺めがよかったよ。

 

お気に入りの人形をサブバッグから下げて歩いてたもんだから

ちょいと変な人だったと思う。

電車で向かいのサラリーマンがヘンテコな機械でも見るかのように覗き込んできたんですもの。

慣れっ子だけどね。

 

人の目が怖くて、少しの音でも敏感になって、見えないものが見えて、見えるものが見えなくて。

幼い当時の私はとても不便だったんだけど。

今はそうでもない。

 

そんな応えはとうにわかっている。

正しさが、何を土台にして成り立つのかを。

 

今がまだ未来だった頃。

ひとしきり、理解したよ。

 

それから解放されることが、仮に自由だとしよう。でも無理だ。

それは鳥籠の中で生きていくしか方法がない訳ではなく。

鳥籠の中の鳥が生き生きしていることに対して誰も違和感を感じないのと同じで、

可哀想だと思う人がいるけど、それが普通であったから誰も干渉しないのだと私は思う。

わざわざ鳥を飼っては逃がしている人など見たこともないし。

矛盾を抱えていると思うのはきっと私だけだ。

 

可哀想だと思うのなら、端から檻に入れるなよってね。

壊れ物を扱うような、触れ方をされるのは心地いいものではないけれど

初めから四肢を縛られていると勘違いしていただけ。

だからいつまでも飛べない。

もう鳥籠の鍵はとっくに外れてる筈なのに

自らを縛っていただけであった。と。

 

そんなことはもうどうでもいい話さ。

 

未来のためにパンをちぎって歩いたって

鳥に食べられて帰り道が分からなくなるし

考えても仕方の無いことなら

わざわざ帰ることを考えるより

そのパンを今美味しく食べた方が

ずっと今が幸せでいられる気がする。

お菓子のおうちは捨てがたいんだけどなあ。

 

悪い魔女につかまるくらいなら

手を繋いで暗い森を歩いた方がずっと楽しいかもね。

 

 

 

 

プレリュード・ソリチュード

マンションの下の、喫煙所が無くなるって。

火をつけてたったの5分間の時間を

過ごせる場所すら、無くなっていく。

東京。

 

5分間だけの自分の居場所を探すことすら

これからは難しくなってしまうようです。

 

休みの日。

薄暗い部屋の床に寝転んで

天井を見つめていたら

3時間も経っていた。

何もしない3時間は宙に浮いた。

どこかへ行ってしまった。

 

あの日、喉の番人が通してくれなかった言葉が

ぐるぐる頭の中をリレーしていたんだ。

 

ただ、世界が変わる話がしたかった。

 

私は星の名前だと思っていたんだけど

それが花の名前だったことも。

 

最近聴いた曲が素敵だったことも。

 

近所の野良猫が飼い猫だったことも。

 

自分が実は嫉妬深いってことも。

 

明日地球最後の日だったら何しようってことも。

 

どうでもいい。きっと凄くどうでもいい話。

それでも話していたら

世界が少しだけ変わっていたかもしれない。

 

平行世界の世界線は今頃どうしてるのだろうか。

 

溶ける角砂糖を捧げて

無駄なことなど何も無いんです。

 

今日の3時間を

どこかの3時間で、幸せに過ごせたら

プラマイゼロだなー。

永遠を探すことは疲れるけど。

少し世界を変えることなら出来なくもない。

あなたの時間を少しだけ私に下さい。

 

溶ける砂糖は甘いから、きっと世界も素敵になる。

ほんの少しね、ブラックコーヒーに砂糖入れてみたんだ。

少しだけ美味しくなった。

やっぱりね。

 

ネガティブ・ネイビー

食べ残した言葉をようやく飲み込んで

眠れない夜のためのお薬を舐めながら

無音のテレビを眺めていました。

 

今日職場の子と話してた。

 

コーヒーのお代わりをしたあたりで

あの子は、人をイライラさせる才能があるよねって。

 

悪口。言うのすごく嫌いなんだけど。

今日は言っちゃった。

そうだね、ああいう子、性格が合わないから無理だなぁ。

って。

ちょっと付き合いきれないなあ。

って。

疲れちゃった。

って。

 

女の子はみんな、味方が欲しくて

陰口を言う。好きだの嫌いだの。自分のことは置いといて。

 

そうだよね。わかる。わたしも。

同情が安心に変わる。

 

きっと自分も言われてる。そんなの知ってるけど。

女の子は

不満を盾にして味方を作るの、上手な生き物です。

 

だからといって、好きでも嫌いでもないけど

愚痴ってしまった。

後で悲しくなって、自分で自分の悪いところ探して、1人で自己嫌悪してた。

 

悲しい生き物だから、何かを悪者にして

自分を保とうとするんだよ。

本当は、自分だって悪いところあるの。知ってる。

 

花いちもんめで欲しいものだけ揃えたら

あの子はいらないこの子が欲しい。

そうでなくちゃ生きられないんだ、仕方が無いことだ。

 

とても最低な自分だけれど

きっとたまにはこれでいいかも。

 

コーヒーマグの、横のスプーンが

歪んだ自分を写していた。

女の子ってめんどくさい。

 

 

 

ローテンション・ローテーション

テンションの不安定な時期。

 

私は今日も少しの時間のために電車に乗った。

待ち時間でさえ愛おしいとは、言ったものです。

 

冷えた手をいくら温めても

今日はなかなか冷たいままだった。

 

胸に開けたピアスを取った。

正確には、取れてしまいました。

 

しばらく体の一部となり共にしていたものが

亡くなってしまった。寂しい。ね。

心臓に近いところがずっとずっとぐらぐらしていて、つい、生返事で返してしまう言葉を。

あなたは気にしてくれていただろうに。

まだ子供の私はあえて気づかないフリをした。

 

隣にいても、ずっと寂しいが付きまとう。

せめてあなたのピアスになれたら。

ずっと取れないように居られたら。

寂しいはどこかへ、どこか遠くへいきますか。

 

冥王星からあなたがばらまいた星々が、今、私の傍で芽吹いてる。

 

いつも大人の振りをしてはぐらかす。

それでもいいんだ。

歪んだシャワーヘッドから出るお湯よりもずっと暖かいものを私は知ってるから。

 

 

 

アミューズメント・ムーブメント

こんばんはごきげんよう

冷たい風が吹いた夜、タバコをくゆらせるばかりの時間。せっかくだから文字でもと。

 

帰り道にもう、梅の花が咲いてて

雪が積もってるように見える、ぼんやりとした街灯のスポットの中で。

イヤホンからはまだ冬の歌が流れてて

変な感じでした。もうそこまで来てるんでしょ?春ってのは。

 

夜の遊園地に行きたい。

観覧車

メリーゴーランド

ジェットコースター

どれに乗ろう。

 

きっと回るお馬さんに乗っても、外で見てるあなた。

通り過ぎるたび目で追う私。

上下する視界に、回る景色とあなた。

ただ見てるだけ。でもね、一緒に乗らなきゃ楽しくないのよ。

私ばかり目まぐるしいのは、御免。

 

ネオンの街を見下ろす箱に乗っても、ただ黙っているあなた。

綺麗だねという私。

星の海を箱から眺めて

ただ無言なだけの15分。

 

 ハイスピードの滑車に乗っても

乗るのはたぶん私だけ。

私ばかり、山あり谷あり浮き沈み。

本当は、わかってる。

だけど、言葉にしないだけ。

堕ちてもいいよあなたとならね。

 

知らないふりがお上手。

悪いお菓子でも食べたのか。

 

ふたりきりの遊園地は静かで誰も何も言わないから

沈黙のカーニバルでさえ楽しいよ。

 

浮き世も夢と申します。

いつか終わります。