アンハッピー・バースデー
気づいたらピンク色になっていて、
気づいたら一つ歳をとっていました。
誕生日が来る度に
あぁ、こうしてまた死に近づいていくんだな
という不安と
もうこんなに生きてるんだな
という想いが交差します。
一年前の自分は何してたっけな、とか。
増えていくローソクを消す度、変な気分になります。
毎日誕生日みたいに、生きてることを祝ってもらえるならさ、
桜の季節に生まれた性分なもので、刹那に散る花に重ねるくらいのネガティブ野郎を何とか出来るんじゃないかな。
おめでとうの 五文字を 一番言ってほしい人に言ってもらえなかった。
まあ、いいんだ。
どうせまた言ってくれるチャンスは1年後。
生きてる限り何回でもチャンスがあるから許してあげる。
ピンポイントで隕石でも落ちない限りなかなか終わりはこないもんです。
春霞。
やわらかい光がさしている。
東風が運んだ卵は鼻をくすぐってむず痒い。
花曇りのする空をかき分けて歩く。
一場の春夢
ということわざが好きで。
人の栄枯盛衰は、春の夜の夢のように極めて儚いものという意味。
日本人って本当に美しい言葉を作るね。
昔の人は短歌や俳句で想いを綴っていたと言うけれど
Twitterやラインでは出来ない良さがある。
移りゆく季節や見るものに感じる気持ちを一番ストレートにしたのが詠なのでしょう。
ここで一句。
春霖に 香草燻らし 君を待つ
春霖とは
仲春から晩春にかけて降る長雨のこと。霖とは長雨。その雨によって春の訪れに草木が成長し、花の蕾も膨らむという意味です。
春の長い雨が降っているように、会えない時間が続くけれど、その間あなたへの想いを膨らませながら、雨が止むまでタバコを吸って待っています。
という感じ。
いい季節です。