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花びらの落し物でたくさんの道を今日も踏んずけて歩いた。
少しだけ肌寒い気がして寂しい夜です。
休みばかりで夜更かしすると、いつの間にかやって来る。
遠退いていく意識の中で、やさしい音が鼓膜を震わせて。次第に、暗がりへ落ちていく感覚さえも失せていくのに、その音だけは決して途絶えることはなかった。
遠い夢の如く、春の不思議な感覚は、どうしてなのでしょう。
誰もかもがうつつをぬかしている。
ああ、そうか、きっとこの不思議な日々が過ぎるとすぐに長雨に悩まされ
あっという間に緑深い草の匂いの季節に変わるのだなぁ。と。
五感を刺激する全ての自然のアプローチが、今まさにここにある。
私は季節に惑わされている。
春だから。と理由をつけているのです。
植物って、人間のこと
どう思っているんだろう。
とても勝手だと思うか、そうだろうな。
自分が綺麗な時だけ花見だ夜桜だと騒がれて
裸になれば目にも止めてくれないじゃんって。
ごめんね、そうじゃないよ。ただきっとね人間は、繊細で綺麗なものが好きなんだ。
咲かない花に価値がない訳じゃないよ。ちゃんとね、咲くまでの過程も知ってるよ。
だからとても好きなんだと思うよ。
人も同じようなもんだから。
植物の吐いた息を人が吸っている。
年輪の数だけ歳をとる。
苦労したぶん美しい。
枯れ木になったら死ぬ。
何も変わらない。