タイトル・リトルアイ

暗闇の中にいて

そろそろ目が慣れてきた頃

ランプの光も眩しい夜さ

 

不安だけを映す網膜

そこには何も無い

君だけが見たいのに 

見たくないものばかりさ

 

いよいよ花冠も枯れて

きみに見せたいものが無くなった

風化する街は いつもコンクリートばかり残るのに

綺麗なものほど

どうして何も残らないのだろう

 

ベッドで2人心中したあの日

インクまみれの夢を見たのさ

ひとつになったとしても

ぼくらは別々の夢を見る

 

りんごは赤いという

もしもを叶えたい世界で

悲しみはブルーなら

海が赤かったらどうするのさ

 

吐息の詩で奏でる

きっともう時間なのさ

エナメルと水銀

区別も付かなくなったこの目は

呼吸でしかきみを分かってやれないから

 

エンドロールまで

見たかったんだ 

誰もいない映画館で

きっとこのままじゃ

キャストはぼくだけさ

 

きみがどうしようも無く傷ついたら

その分ぼくを傷つけてもいいよ

この世界はそんなふうに出来てるから

ポケットを叩くとビスケットは二つになる

そんなもんだから

 

賢い人は言ったさ

誰かのためになることをしなさい

みんなそう言うからそうなんだ

だからぼくの目はダメになってしまったのに

 

眼鏡をかけたんだ

なのに ぼやけているから

新聞の暗いニュースも分からないのさ

 

ぼくがひどく傷ついたら

きみにはもういいよって

言って欲しい

本当に見たいものは

いつか終わりが来たら

見えるのさ