プレリュード・ソリチュード

マンションの下の、喫煙所が無くなるって。

火をつけてたったの5分間の時間を

過ごせる場所すら、無くなっていく。

東京。

 

5分間だけの自分の居場所を探すことすら

これからは難しくなってしまうようです。

 

休みの日。

薄暗い部屋の床に寝転んで

天井を見つめていたら

3時間も経っていた。

何もしない3時間は宙に浮いた。

どこかへ行ってしまった。

 

あの日、喉の番人が通してくれなかった言葉が

ぐるぐる頭の中をリレーしていたんだ。

 

ただ、世界が変わる話がしたかった。

 

私は星の名前だと思っていたんだけど

それが花の名前だったことも。

 

最近聴いた曲が素敵だったことも。

 

近所の野良猫が飼い猫だったことも。

 

自分が実は嫉妬深いってことも。

 

明日地球最後の日だったら何しようってことも。

 

どうでもいい。きっと凄くどうでもいい話。

それでも話していたら

世界が少しだけ変わっていたかもしれない。

 

平行世界の世界線は今頃どうしてるのだろうか。

 

溶ける角砂糖を捧げて

無駄なことなど何も無いんです。

 

今日の3時間を

どこかの3時間で、幸せに過ごせたら

プラマイゼロだなー。

永遠を探すことは疲れるけど。

少し世界を変えることなら出来なくもない。

あなたの時間を少しだけ私に下さい。

 

溶ける砂糖は甘いから、きっと世界も素敵になる。

ほんの少しね、ブラックコーヒーに砂糖入れてみたんだ。

少しだけ美味しくなった。

やっぱりね。

 

ネガティブ・ネイビー

食べ残した言葉をようやく飲み込んで

眠れない夜のためのお薬を舐めながら

無音のテレビを眺めていました。

 

今日職場の子と話してた。

 

コーヒーのお代わりをしたあたりで

あの子は、人をイライラさせる才能があるよねって。

 

悪口。言うのすごく嫌いなんだけど。

今日は言っちゃった。

そうだね、ああいう子、性格が合わないから無理だなぁ。

って。

ちょっと付き合いきれないなあ。

って。

疲れちゃった。

って。

 

女の子はみんな、味方が欲しくて

陰口を言う。好きだの嫌いだの。自分のことは置いといて。

 

そうだよね。わかる。わたしも。

同情が安心に変わる。

 

きっと自分も言われてる。そんなの知ってるけど。

女の子は

不満を盾にして味方を作るの、上手な生き物です。

 

だからといって、好きでも嫌いでもないけど

愚痴ってしまった。

後で悲しくなって、自分で自分の悪いところ探して、1人で自己嫌悪してた。

 

悲しい生き物だから、何かを悪者にして

自分を保とうとするんだよ。

本当は、自分だって悪いところあるの。知ってる。

 

花いちもんめで欲しいものだけ揃えたら

あの子はいらないこの子が欲しい。

そうでなくちゃ生きられないんだ、仕方が無いことだ。

 

とても最低な自分だけれど

きっとたまにはこれでいいかも。

 

コーヒーマグの、横のスプーンが

歪んだ自分を写していた。

女の子ってめんどくさい。

 

 

 

ローテンション・ローテーション

テンションの不安定な時期。

 

私は今日も少しの時間のために電車に乗った。

待ち時間でさえ愛おしいとは、言ったものです。

 

冷えた手をいくら温めても

今日はなかなか冷たいままだった。

 

胸に開けたピアスを取った。

正確には、取れてしまいました。

 

しばらく体の一部となり共にしていたものが

亡くなってしまった。寂しい。ね。

心臓に近いところがずっとずっとぐらぐらしていて、つい、生返事で返してしまう言葉を。

あなたは気にしてくれていただろうに。

まだ子供の私はあえて気づかないフリをした。

 

隣にいても、ずっと寂しいが付きまとう。

せめてあなたのピアスになれたら。

ずっと取れないように居られたら。

寂しいはどこかへ、どこか遠くへいきますか。

 

冥王星からあなたがばらまいた星々が、今、私の傍で芽吹いてる。

 

いつも大人の振りをしてはぐらかす。

それでもいいんだ。

歪んだシャワーヘッドから出るお湯よりもずっと暖かいものを私は知ってるから。

 

 

 

アミューズメント・ムーブメント

こんばんはごきげんよう

冷たい風が吹いた夜、タバコをくゆらせるばかりの時間。せっかくだから文字でもと。

 

帰り道にもう、梅の花が咲いてて

雪が積もってるように見える、ぼんやりとした街灯のスポットの中で。

イヤホンからはまだ冬の歌が流れてて

変な感じでした。もうそこまで来てるんでしょ?春ってのは。

 

夜の遊園地に行きたい。

観覧車

メリーゴーランド

ジェットコースター

どれに乗ろう。

 

きっと回るお馬さんに乗っても、外で見てるあなた。

通り過ぎるたび目で追う私。

上下する視界に、回る景色とあなた。

ただ見てるだけ。でもね、一緒に乗らなきゃ楽しくないのよ。

私ばかり目まぐるしいのは、御免。

 

ネオンの街を見下ろす箱に乗っても、ただ黙っているあなた。

綺麗だねという私。

星の海を箱から眺めて

ただ無言なだけの15分。

 

 ハイスピードの滑車に乗っても

乗るのはたぶん私だけ。

私ばかり、山あり谷あり浮き沈み。

本当は、わかってる。

だけど、言葉にしないだけ。

堕ちてもいいよあなたとならね。

 

知らないふりがお上手。

悪いお菓子でも食べたのか。

 

ふたりきりの遊園地は静かで誰も何も言わないから

沈黙のカーニバルでさえ楽しいよ。

 

浮き世も夢と申します。

いつか終わります。

 

 

 

 

コール・シップ

お久しゅうて至り。

 

あら、冬なんてもう終わりかしら。

ひな祭り。梅の花。桜。

冷たい色から暖かい色へ。

ブルーとピンクの混ざるこの時期になりました。

 

変わる街

変わる人

変わる流行り

 

変わらないものを探しては

変わりたいと思うのも人間です。

 

 

喉が渇いて仕方が無いのに

たった、1杯の

ガラスのコップに入った紅茶を

飲み干してしまった時のような

 

満たされない何か。

 

例えば宵闇の中に

例えば灯火のように。

ふんわりとしたものでしょう。

 

目が悪いわけでもないのに

近いものほど、遠くに見える。

 

あるいは

見えないのです。

 

 

今はみんな、スマートフォンで繋がっているけど

なんだか。孤独。だね。

こうして文字を打つ右手の親指も

寂しいものです。

 

あいたい

四文字が

体より先に相手に届くこの時代に生まれた私です。

 

悲しくも切ない。

文字と文字のやり取りだけで満たされるわけ、無いのに。

 

グランド・サラウンド

こんばんは

年越してました

日記も今年初。

 

新年早々、色々ありすぎて

もう、1月も終わりですね。

 

寒くて息が白く凍るのと

タバコの煙と

コーヒーの湯気と

みんな同じなのに、意味が違ってて。

 

こんだけ汚い東京の空気吸ってんのに

禁煙しろだなんて馬鹿な事言われてさ

副流煙と東京の空気なんて

大差ないのにね。

 

お父さんが昔、タバコの煙でわっか作ってて

大人になったら出来るようになるんだって思ってたけど

未だにできないでいる。

 

大人になってもできないことってあるんだ。って。

 

むしろ

大人になってからできないことの方が多い気がするんだ。

 

不思議です。

 

なんでもできると思ってた。

夢を見るのに理屈は要らないって誰か言ってた。

 

ベッドのシーツを握って寝るだけの毎日。

大人の男女はね、寝るのを我慢して愛し合うんだって。

でも、なんかわかる気がした。

 

いつか

いつの日か

スーパーで仲良くカート押して

買い物袋にたくさん詰めながら

 

「今日もお菓子買い過ぎちゃったね」

 

って

 

笑いながら言いたい。

 

それが夢です。

ささやかな。

私の。

 

ささやかな。

日常の1つ。

 

ブレス・サウンドレス

呼吸の見える寒い夜。

 

季節には早い白い雪が今日降っていました。

レプリカみたいで、信じられないくらいの。

 

電線の隙間の星が

空気がすんでるせいかとても良く見える。

 

いつも淀んでほんとの輝きが見えない。

 

今日、ライブハウスのステージのライトがいつもより暗くて

よく見えなかった。

 

輝きなんて、そんなものだと片付けたくないけど。

 

暗い夜道の白い雪は何故かとても綺麗でさ、

街頭など役に立たない地元の道路でも

良く見えるんだ、不思議と。

 

そうでありたいと思う。

 

冷たいものは皆、綺麗だ。

氷の中にしまった花も枯れない。

 

冬は嫌いだけれども、綺麗なものがたくさんある。

寒くて寒くて大嫌いな帰り道も

綺麗なもの探しゲームをしながら帰ろう。