ローテンション・ローテーション

テンションの不安定な時期。

 

私は今日も少しの時間のために電車に乗った。

待ち時間でさえ愛おしいとは、言ったものです。

 

冷えた手をいくら温めても

今日はなかなか冷たいままだった。

 

胸に開けたピアスを取った。

正確には、取れてしまいました。

 

しばらく体の一部となり共にしていたものが

亡くなってしまった。寂しい。ね。

心臓に近いところがずっとずっとぐらぐらしていて、つい、生返事で返してしまう言葉を。

あなたは気にしてくれていただろうに。

まだ子供の私はあえて気づかないフリをした。

 

隣にいても、ずっと寂しいが付きまとう。

せめてあなたのピアスになれたら。

ずっと取れないように居られたら。

寂しいはどこかへ、どこか遠くへいきますか。

 

冥王星からあなたがばらまいた星々が、今、私の傍で芽吹いてる。

 

いつも大人の振りをしてはぐらかす。

それでもいいんだ。

歪んだシャワーヘッドから出るお湯よりもずっと暖かいものを私は知ってるから。

 

 

 

アミューズメント・ムーブメント

こんばんはごきげんよう

冷たい風が吹いた夜、タバコをくゆらせるばかりの時間。せっかくだから文字でもと。

 

帰り道にもう、梅の花が咲いてて

雪が積もってるように見える、ぼんやりとした街灯のスポットの中で。

イヤホンからはまだ冬の歌が流れてて

変な感じでした。もうそこまで来てるんでしょ?春ってのは。

 

夜の遊園地に行きたい。

観覧車

メリーゴーランド

ジェットコースター

どれに乗ろう。

 

きっと回るお馬さんに乗っても、外で見てるあなた。

通り過ぎるたび目で追う私。

上下する視界に、回る景色とあなた。

ただ見てるだけ。でもね、一緒に乗らなきゃ楽しくないのよ。

私ばかり目まぐるしいのは、御免。

 

ネオンの街を見下ろす箱に乗っても、ただ黙っているあなた。

綺麗だねという私。

星の海を箱から眺めて

ただ無言なだけの15分。

 

 ハイスピードの滑車に乗っても

乗るのはたぶん私だけ。

私ばかり、山あり谷あり浮き沈み。

本当は、わかってる。

だけど、言葉にしないだけ。

堕ちてもいいよあなたとならね。

 

知らないふりがお上手。

悪いお菓子でも食べたのか。

 

ふたりきりの遊園地は静かで誰も何も言わないから

沈黙のカーニバルでさえ楽しいよ。

 

浮き世も夢と申します。

いつか終わります。

 

 

 

 

コール・シップ

お久しゅうて至り。

 

あら、冬なんてもう終わりかしら。

ひな祭り。梅の花。桜。

冷たい色から暖かい色へ。

ブルーとピンクの混ざるこの時期になりました。

 

変わる街

変わる人

変わる流行り

 

変わらないものを探しては

変わりたいと思うのも人間です。

 

 

喉が渇いて仕方が無いのに

たった、1杯の

ガラスのコップに入った紅茶を

飲み干してしまった時のような

 

満たされない何か。

 

例えば宵闇の中に

例えば灯火のように。

ふんわりとしたものでしょう。

 

目が悪いわけでもないのに

近いものほど、遠くに見える。

 

あるいは

見えないのです。

 

 

今はみんな、スマートフォンで繋がっているけど

なんだか。孤独。だね。

こうして文字を打つ右手の親指も

寂しいものです。

 

あいたい

四文字が

体より先に相手に届くこの時代に生まれた私です。

 

悲しくも切ない。

文字と文字のやり取りだけで満たされるわけ、無いのに。

 

グランド・サラウンド

こんばんは

年越してました

日記も今年初。

 

新年早々、色々ありすぎて

もう、1月も終わりですね。

 

寒くて息が白く凍るのと

タバコの煙と

コーヒーの湯気と

みんな同じなのに、意味が違ってて。

 

こんだけ汚い東京の空気吸ってんのに

禁煙しろだなんて馬鹿な事言われてさ

副流煙と東京の空気なんて

大差ないのにね。

 

お父さんが昔、タバコの煙でわっか作ってて

大人になったら出来るようになるんだって思ってたけど

未だにできないでいる。

 

大人になってもできないことってあるんだ。って。

 

むしろ

大人になってからできないことの方が多い気がするんだ。

 

不思議です。

 

なんでもできると思ってた。

夢を見るのに理屈は要らないって誰か言ってた。

 

ベッドのシーツを握って寝るだけの毎日。

大人の男女はね、寝るのを我慢して愛し合うんだって。

でも、なんかわかる気がした。

 

いつか

いつの日か

スーパーで仲良くカート押して

買い物袋にたくさん詰めながら

 

「今日もお菓子買い過ぎちゃったね」

 

って

 

笑いながら言いたい。

 

それが夢です。

ささやかな。

私の。

 

ささやかな。

日常の1つ。

 

ブレス・サウンドレス

呼吸の見える寒い夜。

 

季節には早い白い雪が今日降っていました。

レプリカみたいで、信じられないくらいの。

 

電線の隙間の星が

空気がすんでるせいかとても良く見える。

 

いつも淀んでほんとの輝きが見えない。

 

今日、ライブハウスのステージのライトがいつもより暗くて

よく見えなかった。

 

輝きなんて、そんなものだと片付けたくないけど。

 

暗い夜道の白い雪は何故かとても綺麗でさ、

街頭など役に立たない地元の道路でも

良く見えるんだ、不思議と。

 

そうでありたいと思う。

 

冷たいものは皆、綺麗だ。

氷の中にしまった花も枯れない。

 

冬は嫌いだけれども、綺麗なものがたくさんある。

寒くて寒くて大嫌いな帰り道も

綺麗なもの探しゲームをしながら帰ろう。

 

 

ブランケット・ビスケット

はろーはろー寒い夜。

今夜も寝る前にぽつぽつ書きます。

 

おやすみなさい。

ベッドの海を泳いで、乾いた目を瞑れば

見えるいつかのあの日あの人。

 

足を絡めて漂うだけ、布団の波に襲われる。

 

人の暖かさを知るこの季節。

この波の温もりはなにかに似ているなあと。

 

もう少し泳いでたいのに、夜間遊泳しかできない辛さ。

 

寝息は海の音。

あなたの小波。

 

パジャマは水着。

私のは可愛い猫ちゃんなの。

 

枕は浮き輪。

泳ぐの下手、だから抱き枕で許して。

 

夜の海を漂う星は。

光る微生物。

 

月は月。

ただ変わらず見ていてくれる。

どこかのあの子も、同じ月を。

 

ほら、目を閉じて泳いでみると

見えてくるよ、たくさんの。

 

クラゲもクジラも貝殻も

もうみんなみんないなくなった。

 

そこには1人私だけの海。

冬の寒い海。

 

二人で手を繋いで泳ぎたかった。

そんな寒い海。

 

息のできない夜。

海水に濡れた枕につかまって。

朝まで漂うんだ。

 

おやすみ、今日も、よく頑張りました。

おやすみ、明日も、おやすみがいえるといいな。

おやすみ、どうかいい夢見てね。

おやすみ。

オータム・オーバー

こんにちは、お久しぶりです。

 

もう秋になりました。日記を書かないうちに。

枯葉ももうすぐ落ちきる季節になりました。

 

冷え性の私は、また手足を冷やして心を冷やしてしまうとても嫌な季節です。

 

数年前、毎日当たり前に見ていた見慣れた景色を今日、久しぶりにみてきたよ。

落ちた銀杏の葉が道を黄色に染めながら。

夕日の落ちる数分前まで、そこにいた。

すべてがオレンジで、それは暖かくてとても寂しかったように思えた。

 

当たり前の幸せというものは

自分には数え切れないほどあるだろう。

 

1つ、1つとそれをなくした時に

わかることもあるだろう。

 

子供の頃遊んでいた公園がなくなって

なくなったことすら忘れてしまうし。

 

新しく家がたっても

前までここがなんだったかも思い出せないんだ。

 

いずれはそうなる。すべてのものは。

それでも抗って

拾っては落として

落としては拾って。

 

記憶の海馬の片隅に眠ってしまったとしても

忘れたくない。何かとても大切なもの。

 

一番忘れてはいけないことは

当たり前、普通、日常

それができる幸せだ。

 

ここは私がかえる場所。

 

1℃に満たない朝に

目覚ましに起こされる

夜の海に入るように

足先を冷やして

ああ、今日も始まる

今日も寒いな

何着よう

 

そんな、日常です。