グラス・グリーン

夏の夜に果てる。
見えない何かにおわれて、今日も1日が過ぎていた。

椅子に寄りかかって空を見る。
冷たいアスファルトに寝転ぶのは冷えるから。

私の血が、めぐってめぐって、心臓とこんにちはする。
そのあいだに、
たくさんの世界を見たよ。

涙が調理される午後3時、今日も、
私は街の中に紛れて、言霊を交わしてきた。


結婚の話をした、結婚の話。
薬指に輪っかをはめて、ふたりがひとつになるんだって。
人生っていう、どこまで続くかわからない道を
共に歩んでいく事なんだって。

きっと素敵なんだ。
素敵なことなんだろう。

私はね、まだ何もわからないんだけど、
いつの日かね、愛ってなんなのかがわかる時が来たら
二つ分の人生を一つにする時が来るのかな。

誓いのキスは、ブラックデビルの甘い味。
ウェディングドレスは黒く染めて。
ブーケは血のように真っ赤な薔薇。
ケーキカットはチェーンソーで切るの。
なのしれない、小さな教会で、
ヴァージンロードをラバーソールで走って行くんだ。

フツーの結婚式なんてやりたくないでしょう。

それでね、愛する人に看取られた最後には
綺麗な瑠璃色の海に骨を沈めてね。


そんな、最期がいい。

世界は少しの愛で、変わるのかもしれない。


もしもし、愛してますか。
愛されてますか。
私はちゃんと、愛せていますか。